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ラウンジについて

「ラウンジは風俗営業許可いらないですよね?」

という質問を度々受けます。
そういう経営者の方々とお話しをすると大抵、

「スナック」は深夜酒類提供飲食店営業

「キャバクラ」「クラブ」は風俗営業

「ガールズバー」は深夜酒類提供飲食店営業

という認識のようです。

きちんと説明してもなかなか認識を変えてもらえないので、あえてコラムに掲載しておきます。
「ラウンジ」とか「スナック」などの種類によって、風俗営業許可とか深夜酒類提供飲食店営業になったりする訳ではありません。風俗営業になるかどうかは、「接待」があるかどうかです。

この観点で各業態を見ていくと、必要な許可が分かると思います。

「スナック」
一般に小さいお店で、ママともう1人くらいがカウンターの向こう側にいて、お客と話をする、という形態が多いと思います。これだけであれば、深夜酒類提供飲食店営業の届出でOKです。
問題となるのは、店内にカラオケを設置する場合です。
お客がカラオケを歌うだけであれば問題ありませんが、大抵は「ママいっしょにデュエットしよう」という要求をするでしょう。お客さんの希望を断れますか?また、お客がカラオケで歌い終わった後、拍手をするのではないでしょうか。
カラオケのデュエットやお客の歌に対する拍手をしたり、囃し立てたり、合いの手を入れるなどを行うことは、深夜酒類提供飲食店営業では認められません。これは接待になりますので、風俗営業許可が必要になります。
もし、あなたのスナックにカラオケを設置する場合、お客とデュエットをすることなく、お客が歌い終わっても無視するような感じの悪い店だというのであれば深夜酒類提供飲食店営業でOKですので、警察にもそのように説明しましょう。

「ガールズバー」
バーテンダーが女の子で、カウンター越しに話をしてくれるというお店です。バーテンダーが女の子というだけですので、これだけであれば、深夜酒類提供飲食店営業です。但し、お客のタバコに火をつけるような行為等は「接待」になりますので、できません。

次に、問題の「ラウンジ」です。
「ラウンジ」とは、「スナック」より広いイメージで、カウンターではなくソファー席という感じです。こうした店舗の間取図や配置図を警察に見せれば、間違いなく「女の子は席に座らせないのですか?」と聞かれるでしょう。本当に座らせないなら、そのように主張して下さい。でも、女の子が横に座ってお客さんとおしゃべりをすれば「談笑」という接待になりますし、客のタバコに火をつけることも許されません。せいぜい、ウエイトレスのように飲食物を運ぶ程度しかできません。もし、オープン後に、女の子が接待しているところを見つかれば、風営法違反で摘発されます。

ここまでで、おわかりいただけましたでしょうか。
深夜酒類提供飲食店営業か風俗営業かは、
「スナック」「ラウンジ」「キャバクラ」「クラブ」などといった名前で決まるのではなく、あくまでもサービス内容に「接待行為」があるかどうかで決まるということです。

もし、警察の摘発を受けた後に風俗営業許可を受けようとすると、許可を受けるまでの間は一切の営業ができなくなりますので、空家賃が発生するだけでなく、キャストは他店に移り、お店にとっては死活問題となるでしょう。特に、以前は許可を受けるまで55日(概ね2か月)かかっていましたが、現在は、土日を除く55日に運用が変更されていますので、3か月近くかかることになります。

このようなお話をすると、「うちは警察が来たら、女の子を隠すから」という方がいますが、警察が来る時には、すでに内偵捜査済みであるので、言い逃れはできないと思って下さい。そして、もしあなたのお店が繁盛すればするほど、同業者からの通報や見せしめの為に警察が摘発に入る可能性が高くなるでしょう。

そこまでのリスクをとってでも営業をするというのであれば、私共にはどうすることもできません。

しかし、きちんと経営をされたいということでしたら、お店の営業形態やサービスに必要な許可をとり、堂々と営業をすることをおすすめいたします。そのためのご協力、アドバイスはできますので、お問合せ下さい。ご一緒に素敵なお店にできればと考えております。